はじめに

お疲れ様です。
Blackberry JAMのビルダーです。

ここではちょっとマニアックな観点から、当ブランド商品のポイントをご紹介出来ればと思っております。
特に当ブランドのモデルの殆どがアンサンブル内での操作性を重視している部分が多いので、セッション等での使用感も合わせてお読み頂ければと思います。

そもそもドライブサウンドと言えば、良質な真空管アンプで作るのがベストかと思います。
しかしながら、そのようなアンプを所有したり持ち運んだりは大多数の方が出来る事ではなく、
特にセッションバーにアンプそのものを持ち込むなんてのは基本的に難しい事です。
そうなると、ファンクセッション等では歪みペダルを一つ用意する必要があります。
そのペダルの歪みが良質な真空管アンプの歪みに近ければ近いほど、道具としては優秀です。

そこで使い方と歪みペダルに何を求めるかという話になるのですが・・・

僕自身の歪みペダルの使い方としては、曲が始まる前にオンにしたら曲が終わるまではオフにしません。
何故かというと、単純にめんどうだからです。
セッションでは初対面の方と曲を演る事も多いので、その時々のアンサンブルに合わせた音量や音色の調整を、
曲が始まってから9割以上をギター側でやります。
あまり足元を気にしない分、周りの音をしっかり聴きながら調整するので効率も良く、何よりも音楽的な音作りが出来ます。
こういう事はスキルも必要ですが、結局は慣れなんで続けていれば誰でも自然に出来るようになると思います。

あとは何を求めるかという事ですが・・・

僕自身が歪みペダルに求める事は、色んな状態や状況のアンプから良質な真空管アンプの歪みが出てくれればいいなぁという事です。
ちなみにそのようなベストな歪みというのは、演奏中のギターコントロールに対して音楽的な気持ちの良い反応を返してくれます。
僕の考えるアンプライクというのは、ペダルの歪みで上記のような良い反応を演奏中に得られるかどうかという部分です。
結局は曲中アンサンブル内でのギターサウンドメイキングを、いかにリアルタイムで音楽的に追従してくれるかという事に尽きます。
やはりストレス無くコントロール出来るサウンドというのは、良い演奏をする上では必要不可欠と言っても良いかと思います。

色々と書いてきましたが、僕はこのようなコンセプトを持った歪みペダルが標準と考えます。
そして、製作側の人間がそれを理解する為の演奏スキルを持っている事も標準と考えます。
お客様にとって玩具であろうと道具であろうと、妥協のない製品である事が標準と考えます。

これからご紹介していく当ブランド商品をお使いいただいた瞬間、プレイヤーに寄り添った
リアル至上主義のサウンドを体感していただけると確信しております。




Blackcurrant

こちらのBlackcurrant、当ブランドのフラッグシップモデルと言っても良いモデルだと思います。
理由としては、僕自身がセッション参加する時に持って行く事が多いからというのもありますが・・・。
特徴は、コンプ感が少なめなので、アンサンブル内でのバッキングとリードをギター側でコントロールした時の切り替わりが鮮明なことです。
それと、エグいぐらいのダイナミックレンジを確保出来るため、音量差で前に出るか後ろに下がるかの調整が有利になります。
また、コンプ感が少ない事のメリットは、音像がはっきりするのでアンサンブル内での自分の音の位置が分かりやすくなるということ。
デメリットは、慣れるまで少し弾き辛さを感じる人もいるかもしれないというところでしょうか。
「オープンな音は玄人寄り」な捉えられ方をする事があるようですが、決してそのような事はなく、慣れれば誰でも扱えるようになるものだと思っております。
セッションに行かれる方はこれ1台、オンにしっぱなしで使うならばとてもオススメです。
一般的な使い方でも良い道具になってくれますので、是非ともお試しくださいませ。




Blue Mallow

こちらのBlue Mallowは、Blackcurrantに次いでセッションに持って行く事が多いモデルです。
特徴としては、Blackcurrantに比べて程よいコンプ感があるという部分です。
それでも十分なダイナミックレンジを確保していますので、曲中アンサンブル内でのコントロールにストレスを感じることはないと思います。
ちなみにコンプ感がある事についてのメリットは、なんといっても弾きやすさにあると思います。
演奏中のギターコントロールに対して、とてもスムーズに反応してくれるので、プレイヤー感覚としてはたいへん楽です。
僕の印象としては、アンサンブルに自然と溶け込んでいくようなサウンドに感じました。
こういうタイプの音は、ギタリストならば直感的に扱いやすいと感じる方が多いのではないでしょうか。
こちらも、セッションに行かれる方はこれ1台、オンにしっぱなしで使うならばとてもオススメです。
一般的な使い方でも良い道具になってくれますので是非ともお試しくださいませ。





Black Velvet

こちらのBlack Velvet、当初はセッションに持っていけるディストーションというコンセプトで開発が始まったモデルです。
通常、アンサンブル内で音楽的にコントロールし易い歪みと言えばオーバードライブが一般的で、ディストーションだと特性上どうしても同じようにはいかないというのが現状でした。
でもアンプで作るディストーションはちゃんとコントロール出来るんだよなぁ・・・反応してくれるもんなぁ・・・というのもあり、「当ブランドが考えるアンプライク」なディストーションを作ればいいんだなという結論に至りました。
そこで、オーバードライブ~ディストーションをイメージして設計を始めたところ・・・最終的には寸分違わぬほどイメージ通りに完成された極上の逸品に仕上がりました。
ゲインを下げたオーバードライブ設定で使えば、ディストーションペダルだというのを忘れてしまいそうな不思議な感覚になる極上の逸品です。
こちらもディストーションではありますが、セッションに行かれる方はこれ1台、オンにしっぱなしで使うならばとてもオススメです。
一般的な使い方でも良い道具になってくれますので是非ともお試しくださいませ。





Lemonglass

こちらのLemonglass、ちょっとマニアックです。
元々の発端は、かれこれ26年前まで遡ります。
当時は今のようにファンクセッションといった類のものはなく、腕試しやら遊びに行くやらのセッションと言えばジャズセッション、という時代でした。
基本クリーンサウンドのジャンルなので、ペダルを繋ぐなんて考えてもいなかったのですが、ギターサウンド面ではたまにアンサンブル内での自分の音が遠く感じることがありました。
原因は単純で、低域が散ってぼやけてしまうからだな・・・と気付いてはいたけれど、解決策がいまいちピンと来ないみたいな感じでした。
そんな時、買ったはいいけど音が・・・藁半紙のような・・・プラスチック・・?みたいな印象しか持てなかった緑色のペダルを思い出しました。
物は試しとゲインを絞ったクリーンブースト設定で使ってみたところ、効果は抜群で、低域の引き締めと中域付加でトリートメントされ、見違えるように音が近く感じられるようになったのです。
Lemonglassはそんな緑色のペダルの実用性部分のみを抜き出して進化させたモデルなのですが、こういったトリートメント効果は他ジャンルのギターサウンドにも当てはまります。
音のトリートメント用として歪ませる方にも、ジャズ屋の方にとっても良い道具になってくれると思いますので、是非ともお試しくださいませ。




Rosemary Rex

こちらのRosemary Rex、マーシャル好きの自分にとっては特別です。
音色は勿論、実際の1959に直で繋いだときの演奏感を再現している点が特徴です。
マーシャルトーンを再現するだけならば大して苦労はないのですが、アンサンブル中のギターコントロールに対してマーシャルの音がどのような反応と変化をしていくのか?という部分の再現は非常に苦労しました。
ちなみに海外のペダルは、全部とは言えませんが上記のような部分まで再現している物がほとんどです。
理由は、そのブランドの代表や製作者がギタリストであるという事です。
つまりは元セッションマンだったりまだ現役でやってる人だったりという具合に、プレイヤーとしてセッションに持ち込んでブラッシュアップしてる人達がゴロゴロいるという事です。
でもそれが当たり前だと思いますし、とてもプレイヤー目線で親身に取り組んでいるなと思います。
当ブランドもそうでありたいという気持ちで、僕自身これからもアンサンブル内で聴いて弾いてを繰り返し、考察を重ねていこうと思う次第です。
大幅に話はそれましたが・・・やはり製品を追い込む作業はビルダー自身で出来ないと話になりませんね。
そんな愛がつまったこのペダル、セッションでもご自宅でもどんな時でも良い道具になってくれると思いますので、是非ともお試しくださいませ。



Silverberry

こちらのSilverberry、当ブランド商品の中では、ダントツにマニアックなペダルです。
開発の基になったダンブルアンプがマニアックというのもあるのですが・・・アンプ同様にこのSilverberryのトーンと弾き心地は、他に比べる物が見当たりません。
それまではそこまで興味もなかったのですが、一度だけトランス交換でお預かりした際に、確認の音出しで驚いたのを覚えています。
言葉で表現するのが難しい音で、色っぽい艶のある中低域から中高域に対して、高域側の混ぜ方がセンス抜群だなと感じました。
Silverberryはそのバランスに可能な限り近づけたかなと思います。
少し慣れが必要かもしれませんが、基本的にはギター側のボリュームを絞った音でアンサンブル内に入っていく使い方がベストかと思います。
理由は本家のアンプもそうなのですが、ギターボリュームを絞った音が非常に色っぽく抜群に使える音だからです。
逆に全開より絞った方が良いとも言えます。
こういう音で便利な点は、セッションで使う時のボリューム操作やピッキングの強弱に対して、音色のスイートスポットが多いという事です。
これはプレイヤーにストレスフリーな安心感を与えてくれます。
海外の一流のギタリストが使っている理由もそこにあると思います。
そんなマニアックでストレスフリーなこのペダル、セッションでもご自宅でもどんな時でも良い道具になってくれると思いますので、是非ともお試しくださいませ。